2025年10月1日、三谷幸喜さんが25年ぶりに民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ脚本を手がけた『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(略称:もしがく)がフジテレビ系でスタートしました。菅田将暉さん主演、二階堂ふみさん、神木隆之介さん、浜辺美波さんといった豪華キャストが集結し、放送前から大きな注目を集めていた作品です。
第1話の平均視聴率は世帯5.4%、個人3.1%と決して高くない数字でしたが、見逃し配信は200万再生を突破するなど、配信では一定の支持を得ている様子。ただ、レビューサイトFilmarksでは平均スコア2.9点と評価が分かれており、視聴者の反応は賛否両論となっています。
ドラマ好きな私としては、三谷作品特有の雰囲気や豪華キャストに惹かれて第1話を視聴しましたが、正直なところ「これは好き嫌いがはっきり分かれるだろうな」と感じました。ここでは、実際に見た視聴者の生の声を集めながら、第1話の評価が割れた理由を探っていきたいと思います。
第1話はどんな内容だった?舞台設定とあらすじ
物語の舞台は1984年の渋谷。渋谷駅から徒歩8分の架空の街「八分坂(はっぷんざか)」が舞台となっています。ドラマはシェイクスピアへのオマージュとなっており、タイトルは『お気に召すまま』の台詞「全てこの世は舞台、人は皆役者に過ぎぬ」の本歌取だそう。登場人物の名前や店名もシェイクスピア作品から取られているという、こだわりの設定です。
主人公は菅田将暉さん演じる久部三成。自身の劇団を追放された演出家志望の青年が、怪しげな商店街「八分坂」でストリップ劇場「WS劇場」と出会います。そこで二階堂ふみさん演じるダンサー・倖田リカと出会い、彼女の踊りに照明を当てることで演出家としての情熱を取り戻し、この劇場を「東京でいちばんの劇場」にすると決意する――というのが第1話のあらすじです。
「つまらない」という声が多い理由を調べてみた
初回放送は、菅田さん演じる久部三成をはじめ、4人のキャストの紹介がメインの構成となり、ストーリーの進展があまりなく序章的な放送だったことが、厳しい評価につながった大きな要因のようです。
実際の視聴者の声を見てみると、こんな意見が目立ちました:
「情報量が多すぎてついていけない」
登場人物の豪華さや多さに視聴者が混乱してしまい、「ちょっと情報量が多すぎてついていけない」と感じた人が多かったようです。確かに、次々と個性的なキャラクターが登場するので、初見では「この人は誰?」となってしまうのも分かります。
「話が進まず疲れる」
「1話の半分でつまらなくて辞めて、もう一回見ようとしたけど、寝落ちしてた」という離脱の声もありました。第1話はキャラクター紹介に多くの時間が割かれたため、展開を期待していた視聴者にとっては退屈に感じられたのかもしれません。
「テンポが合わない」
最近の配信ドラマのような展開の速さに慣れている世代にとっては、三谷作品特有のゆったりとした導入部分が合わなかったという指摘もあります。
一方で「面白い」「期待できる」という声も
ただ、否定的な意見ばかりではありません。三谷作品のファンを中心に、こんな肯定的な声も多く見られました:
「三谷作品らしさが最高」
「初回から三谷幸喜節炸裂で最高!ネオン街の雰囲気もたまらない。キャストも豪華だし、展開が早くてワクワクが止まらない」という熱い感想も。三谷ワールドに浸れる人にとっては、たまらない作品のようです。
「キャラクターの魅力」
特に二階堂ふみさんの妖艶なダンサー役への評価が高く、「めちゃキレイ」「アングラなセクシーさを出せる女優さん」といった絶賛の声が多数見られました。
「最後まで見たくなる構成」
「三谷さんのドラマは最初は??。そして、習慣。そのうち、夢中に。今回もそうなると思う」という、三谷作品の特性を理解した上での期待の声もありました。
2話以降で評価が変わってきている?
調べてみて驚いたのが、第2話でストーリーが一気に盛り上がっているという声が多かったことです。「面白くなりそう」「1、2話見て離脱するのはもったいない」といった意見も見られ、継続視聴している人たちの間では徐々に評価が上がってきているようです。
実際、三谷作品は序盤でゆっくりと世界観を作り、中盤から物語が動き出すという構成が多いですよね。『王様のレストラン』や過去の大河ドラマでもそうでした。第1話だけで判断するのは、もしかしたらもったいないのかもしれません。
豪華キャストの活かし方について
「役者が豪華過ぎてみんなが皆活躍できる訳ではないのでちょっともったいないな」という指摘も見られました。確かに第1話では出番が少ないキャストもいましたが、群像劇という性格上、これから全員の物語が絡み合っていくのではないかと期待しています。
菅田将暉さんの熱演はもちろん、二階堂ふみさんの存在感、神木隆之介さんとの関係性など、キャスト同士の化学反応が今後どう展開するのか楽しみです。
まとめ:三谷ワールドに浸れるかがカギ
三谷幸喜さんの半自伝的要素を交えた完全オリジナルストーリーである本作は、間違いなく好みが分かれる作品です。第2話の視聴率は世帯4.4%、個人2.3%と数字的には厳しい状況ですが、配信での視聴や口コミでの評価を見る限り、「ハマる人はハマる」作品だと感じました。
第1話でキャラクター紹介に時間を使った分、2話以降でストーリーが動き出し、三谷作品特有の群像劇の面白さが発揮されていくはず。1984年という時代設定や、シェイクスピアへのオマージュといった要素も、回を重ねるごとに深みを増していくのではないでしょうか。
「第1話で脱落しそうになった」という方も、もう少しだけ我慢して2話、3話と見続けてみると、また違った印象を持てるかもしれません。私自身も、この独特な三谷ワールドがこれからどう展開していくのか、引き続き見守っていきたいと思います。

