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岡部たかしさんの”不思議と憎めない”演技が気になる!『ばけばけ』で再び注目される魅力とは

NHK朝ドラ

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、ヒロイン・トキの父・松野司之介を演じている俳優の岡部たかしさん。武士の誇りを捨てきれずに職に就かず、家族を困らせる情けない父親役なのに、なぜか憎めない——そんな不思議な魅力で、今また視聴者の心をつかんでいます。

2022年のドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』でパワハラ上司・村井役を演じて全国的に注目を集め、50代でのブレイクを果たした岡部さん。その後も朝ドラに立て続けに出演し、コミカルな役からシリアスな役まで幅広く演じ分けています。

ドラマを見るのが好きな私も、岡部さんの演技には以前から「あれ、この人どこかで見たことある」と気になっていました。調べてみると、長い下積み時代を経て花開いた遅咲きの俳優さんだということがわかり、その演技の深みにも納得。今回は、岡部たかしさんのこれまでのキャリアと、その独特な演技の魅力について、調べたことをまとめてみました。

『ばけばけ』で異例の2度目のヒロイン父役に

岡部たかしさんは1972年生まれ、和歌山県出身です。高校卒業後は建設会社で現場監督として働いていましたが1年で退社し、その後喫茶店やトラックの運転手などをしながらフリーター生活を送っていたそうです。

24歳で役者を志して上京し、劇団東京乾電池の研究所で演技を学び、舞台を中心に活動してきました。長年舞台で腕を磨いた実力が、ここ数年の映像作品で一気に開花したという感じですね。

『ばけばけ』で演じる司之介は、かつて松江藩の上級武士だったものの、明治維新で収入がなくなり、お金の稼ぎ方もわからずに苦しい貧乏暮らしを送る父親です。威厳もなければ甲斐性もない——でも、岡部さんが演じると、その情けなさがなぜか「愛らしさ」に変わってしまうんですよね。

前作『虎に翼』でもヒロインの父・猪爪直言役を演じた岡部さんが、朝ドラで異例の2度連続のヒロイン父役に抜擢されたのも、このキャラクターを体現できるのは岡部さんしかいない、という制作側の強い信頼があったからなのでしょう。

『エルピス』でのブレイクまでの道のり

岡部さんの名を全国に知らしめたのは、2022年の社会派ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』での村井喬一役でした。セクハラやパワハラを繰り返す情報番組のプロデューサーでありながら、どこかそれだけではない複雑な人物を演じ、回を追うごとに存在感を増していきました。

この役は、脚本家の渡辺あやさんが岡部さんを念頭に置いて書いたもので、監督の大根仁さんからも「これでブレイクしないなら、いつブレイクするの?」と期待されていたそうです。

それまでの約30年間、時には役名もないような仕事もこなしながら地道に活動してきた岡部さん。当時50歳だった岡部さん自身は「これが30歳なら浮かれたかもですが、もう50歳なので『わー、売れた』というような狂騒はない」と冷静にコメントしていました。

長年の下積みを経てのブレイク——そう聞くと、岡部さんの演技に深みがあるのも納得です。苦労を重ねた人だからこそ、人間のどうしようもない部分や滑稽さを、愛情を持って演じられるのかもしれません。

岡部さんの演技の魅力は「間」と「ズレ」

岡部さんの演技で特に印象的なのが、その絶妙な「間」と、どこか「ズレ」ている感じです。『ばけばけ』の脚本家・ふじきみつ彦さんとは長年演劇で一緒に活動してきた仲で、ふじきさんの描く「笑いの間」を深く理解しているからこその演技なんだそう。

岡部さん自身は、演技において「おもろいか、おもろないか」を追い求めており、人間は誰しも複雑でありながら、どこか滑稽な部分を持っていると考えているとのこと。この人間観が、キャラクターに独特の魅力を与えているんですね。

『ばけばけ』の司之介も、時代遅れで頑固で情けないのに、なぜか憎めない——それは、岡部さんが計算しつくされたようで自然に生じる「間」や「ズレ」を巧みに使っているから。つい笑ってしまうけど、心のどこかで応援したくなる、そんな不思議な魅力があります。

コメディとシリアスのギャップも魅力

岡部さんの演技が「クセになる」もう一つの理由は、コミカルな役とシリアスな役のギャップの大きさです。

『エルピス』では権力争いの中心にいる報道局のエースプロデューサーを演じ、『虎に翼』では帝国大学卒業後に帝都銀行に勤務するエリート銀行員で、娘を温かく見守る理解ある父親を演じました。一方で、朝ドラ『ブギウギ』では「アホのおっちゃん」というユーモラスな役も。

情けなさや滑稽さを極めるコメディ演技と、鋭い視線を持つシリアスな役——この振り幅の大きさが、岡部たかしという俳優の奥行きを感じさせます。どちらも説得力があるからこそ、次はどんな役を見せてくれるんだろうとワクワクしてしまうんですよね。

岡部たかしさんの出演作、どれから見る?

岡部さんの魅力をもっと知りたい!という方におすすめの作品をピックアップしてみました。

コミカルな魅力を楽しむなら:

  • 連続テレビ小説『ばけばけ』(2025年・NHK):現在放送中。情けないけど憎めない父親役の集大成ともいえる作品です
  • 『FM999 999WOMEN’S SONGS』(2021年・WOWOW):「決定的に何かが足りない父親役」の好演が光る作品

シリアスな演技に圧倒されるなら:

  • 『エルピス-希望、あるいは災い-』(2022年・関西テレビ・フジテレビ系):ブレイクのきっかけとなった代表作。権力と葛藤するプロデューサー役
  • 連続テレビ小説『虎に翼』(2024年・NHK):優しく娘を見守る父として、ヒロインの成長を支える重要な役

映画では『異動辞令は音楽隊!』(2022年)や、2025年10月公開の『秒速5センチメートル』など、幅広いジャンルに出演されています。どの作品でも、岡部さんの多彩な才能を楽しめると思います。

まとめ:遅咲きだからこその深み

24歳で役者の道に入り、長年の舞台活動と地道なキャリアを経て、50代で全国的な注目を集めた岡部たかしさん。特に『ばけばけ』の情けない父・司之介役では、そのコミカルな演技が高く評価されています。

長年一緒に活動してきた脚本家・ふじきみつ彦さんの意図を汲む「笑いの間」のコントロールや、人間の本質的な滑稽さを追求する姿勢——これらが、岡部さんの「クセになる演技」の源泉なんだと思います。

シリアスからコメディまでを自在に行き来する変幻自在の演技力。そして、長年の経験から生まれる人間への深い洞察。遅咲きだからこその深みが、岡部さんの演技にはあります。

『エルピス』や『ばけばけ』をまだ見ていない方は、ぜひチェックしてみてください。きっと岡部さんの演技の虜になるはずです。

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