当サイトには広告を含むコンテンツがあります

『ちょっとだけエスパー』第1話/オープニングの英語と「ノナマーレ」に隠された切ない意味を考察

ちょっとだけエスパー

大泉洋さんが主演を務めるドラマ『ちょっとだけエスパー』の初回放送が2025年10月21日に始まり、早くもネット上で大きな話題になっています。私も初回を見てみたのですが、最初はコメディタッチで始まったのに、最後の最後で一気に空気が変わって、思わず鳥肌が立ってしまいました。

このドラマは、会社をクビになり人生のどん底にいた主人公・文太が、謎の会社「ノナマーレ」に採用され、世界を救う使命を与えられるSFラブロマンスです。文太は「ちょっとだけエスパー」となり、見知らぬ女性・四季と夫婦として暮らすことになりますが、同時に「人を愛してはならない」という不条理なルールを課せられます。

オープニングに隠された英語のメッセージ

放送直後から特に注目を集めたのが、オープニングに流れた英語のテキストでした。一見すると読みづらい切れ目のない文章で、多くの視聴者が「何が書いてあるの?」と疑問に思ったようです。

このテキストは、意図的に単語の区切りをなくして表示されていて、実際は次のような意味でした。

BUNTA STARTS WORKING HE BECOMES AN ESPER HE GETS A WIFE BUT HE MUST NOT LOVE

日本語にすると、「文太は働き始め、彼は超能力者になる。彼は妻を得るが、愛してはならない」という内容です。

つまり、このオープニングの英文は、物語の核心部分をそのまま表していたんですね。文太がエスパーになって四季という妻を得るけれど、決して愛してはいけないという、このドラマの最も切ない矛盾を最初から予告していたわけです。

会社名「ノナマーレ」に込められた意味

初回のラストで大きな反響を呼んだのが、会社名「ノナマーレ」の意味の明かされ方でした。文太が四季に触れて「愛してる」という心の声を聞いた後、社長の兆から電話がかかってきて、「最も大切なルールを破らない。ノナマーレ、NON AMARE、人を愛してはならない」と念を押されるのです。

会社の名前そのものが「愛さない」という禁令だったという事実に、視聴者は一斉に驚きました。それまで笑いながら見ていたのに、この瞬間から急に切ないラブストーリーの色が濃くなって、作品の印象がガラッと変わったんです。

SNSでは「そういう意味があったんだ」「社名に繋がってるとは」「ハッとした」といった声が上がっています。私もこの伏線回収には本当に驚かされました。

文太の能力と四季の存在

文太が手に入れた能力は、「触れている間だけ、心の声が聞こえる」というものです。一見便利そうに思えますが、実際には他人の本音をすべて知ってしまうという、ある意味残酷な力でもあります。

文太が四季の手に触れると、「幸せ、いつまでもこうしてたい。愛してる」という心の声が聞こえてきます。四季は演技ではなく、本気で文太を愛しているのです。でも、その純粋な愛情が文太にとっては禁止されたものだという、なんとも切ない構図になっています。

四季が本当に文太の妻だと思い込んでいるのか、それとも何か別の理由があるのか、まだ謎だらけです。会社の事務員・円寂によると、四季はノナマーレの社員ではなく、ミッションのことも知らないといいますが、本当のところはどうなのでしょう。

野木亜紀子脚本の魅力

脚本を手がけるのは『アンナチュラル』『MIU404』などで知られる野木亜紀子さんで、テレビ朝日の連続ドラマは今回が初めてとなります。野木さんの脚本は、社会問題を扱いながらもエンターテインメント性が高く、予測不能な展開で視聴者を引き込むのが特徴です。

大泉さんは野木さんの脚本について「日本のドラマは展開のためのセリフになっていることが多いけれど、野木さんの脚本は会話にも中身があって複雑な展開も両立させている」と語っています。

私自身、初回を見て感じたのは、コミカルな場面と切ないシーンの温度差が絶妙だということ。笑って見ていたはずなのに、気づいたら胸がキュッとなっているんです。この緩急のつけ方は、さすが野木さんだなと思いました。

仲間のエスパーたちと今後の展開

文太以外にも、ノナマーレには様々な能力を持ったエスパーたちがいます。桜介役のディーン・フジオカさんは手をかざすことで花を咲かせる植物系エスパー、円寂役の高畑淳子さんと半蔵役の宇野祥平さんもそれぞれ能力を持っています。また、北村匠海さん演じる謎の大学生・市松がエスパーの存在を知ってしまい、今後どう絡んでくるのかも注目ポイントです。

初回放送を見て、多くの視聴者が感じたのは「予想以上に面白い」ということ。軽いノリのSFコメディかと思いきや、人間ドラマとしての深みがあって、次の展開がとても気になります。

まとめ:愛の禁止というテーマの切なさ

『ちょっとだけエスパー』のオープニングに流れた英語は、物語の核心である「愛してはならない」という宿命を最初から提示していました。そして会社名「ノナマーレ」が「愛さない」を意味するという伏線回収は、初回のハイライトとも言える演出でした。

文太は超能力を得た代わりに、愛することを禁じられました。でも四季は彼を本気で愛している。この矛盾した状況が、今後どう展開していくのか。「後半に進むにつれてどんどん揺さぶられていく」と宮﨑あおいさんも語っています。

初回を見た限り、これは単なるヒーローものではなく、愛とは何かを問いかける深い作品になりそうです。文太が本当の意味で「世界を救う」ために、どんな選択をしていくのか。毎週火曜日の放送が待ち遠しくなるドラマでした。

タイトルとURLをコピーしました